2016年に東証マザーズへ上場したグレイステクノロジーってどんな会社なんだろう?マニュアルのオーダーメイドサービスってどんな物なのだろう?
こんな疑問に答えます。
こんにちは、カツヤマ(@katsu8ma)です。
今回は6541 グレイステクノロジーに投資すると想定した上での投資戦略を会社説明会資料を基に記載していきたいと思います、宜しくお願いします。
この記事で分かること
1.グレイステクノロジーについて
2.グレイステクノロジーの事業内容について
3.グレイステクノロジーの将来性から見た投資戦略
1.グレイステクノロジーについて
マニュアル制作ノウハウを生かしたMOS事業(マニュアルオーダーメードサービス事業)と電子化、クラウド化のMMS事業(マニュアルマネージメントシステム事業)を主軸としたサービスを展開する。
顧客は主に国内外のメーカー中心で専門性が高く、1製品あたりのマニュアル量が多い顧客がターゲットとなる。
創業から一貫としてマニュアルを作り続けてきているのも特徴のひとつ。
創業者の松村幸治氏が翻訳会社で激務の中、個人で300人以上の創業経営者と面会、経営について学び2000年にグレイステクノロジーを設立。1984年創業の日本で最初のマニュアル専門会社(日本マニュアルセンター)を前身としている。
マニュアルは社内で作るイメージが強いと思いますが、品質面を求めるとこのようなサービスに行き着きそうです。
他社で同様のサービスは見かけないので差別化されているブルーオーシャン市場で活躍している会社と言えます。
2.グレイステクノロジーの事業内容について
紙<MOS<MMSの順に効率化及び高収益化に繋がる形。イメージとしては
従来の紙マニュアルを使用している顧客
→まずはMOS事業で分かりやすいマニュアル作りを支援
MMS事業でe-manualを導入してマニュアル作成、管理の電子化を図る
→MOS事業で顧客が成果を実感したらMMS事業に移行するのだと思われます。
顧客満足度が高いのか企業側の目線で考える
・大手企業中心に2,000社以上にのぼる採用実績
→数字だけ見ても顧客満足度が高いことが分かる。HPの実績紹介を見ると沢山の製品を扱うメーカーが多い印象。
マニュアル作成が属人的で分かりづらい…今はベテラン社員がいるけど抜けてしまった後が不安な企業も多いのでは。
実際、技術系社員がそのままマニュアル作成をするケースも多いと思います。但し、限られたリソースの中ではマニュアル作成は専門家に任せて社員をコア業務にあたらせる。企業にとってはあるべき姿ですね。
e-manualって何だろう?
e-manualについてもっと分かりやすく教えて欲しい
e-manualというのは、膨大なマニュアルを電子化し、クラウド上で総合管理・制作する仕組みの事です。段階を追って説明しますね。
e-manualの概要
大事なのはクラウド上で全てのデータを一括管理し、品質向上を図ること。
→大幅なコスト削減に繋がる結果に。詳細工程は後述する。
実際どのくらいコスト削減出来るのだろう?という質問に対しての答えも用意されています。
IT企業が例に出ていますが、やはり人件費と印刷費コスト削減成果は大きいですね。
① 自動組版
書き手はWebブラウザから文章の入力に専念するだけなので属人的な判断が入らない、といった形ですね。
実際、マニュアルを読んでいて多数のフォントが出てきたら違和感を覚えますよね・・・。
ワークフロー管理
有難い機能だと感じたのが文章や画像を再利用。
複数のマニュアルに記載がある文章や画像、表を共通化しておく。
→ひとつ直すと別のマニュアルでも自動変更(抜け漏れが防げて便利な機能だと理解しました)。
こっちは直したけど違うマニュアルは古いままだった、ということは意外に多いのでは?
オンデマンド印刷
3.グレイステクノロジーの将来性から見た投資戦略
グレイステクノロジーの創業者である松村幸治さんが2021年4月13日に満66歳の若さで逝去されたのは大きな出来事。
→とても残念ですが、創業者の想いを引き継ぎマニュアル提供を進めていただきたい。創業者が保有していた2,797,400株(9.85%)についても長期保有して貰える人に渡ってくれることを願います。
老舗マニュアル製作会社で顧客の繁栄=HOTARUの繁栄につながると考え、お客様目線に立った商売をする
HOTARU株式会社(及びその子会社)を子会社化したことによるシナジー効果
・既存顧客のe-manual化(1QでMMS事業売上発生、今後も増加見込み)
・リソース投入による体制変化(高収益化へ)
会計処理の適切性が明らかになって不透明感が無くならない限り株価上昇は現時点で無さそうな印象。
年初来高値3,490円(時価総額約1,000億円)と期待されていたものが今は368円(2021/12/24現在、時価総額約100億円)。
見事な逆テンバガーとなっていますね・・・。
売上高、営業利益、ROEを見ていくと長い目線で右肩上がり(期待が大きいのも分かります)。
決算がある一定規模で正しいと仮定して売上高は40億円程度(純利益は約10億円)。
一方でマニュアル作成の市場規模は株式上場メーカーの約1,800社だけで約7兆円ありますので全体から見ると約5%程度。
仮に10%まで拡大した場合は単純計算で売上高は80億円で純利益は1/4と仮定し20億円×PER10倍(仮)=時価総額200億円
今の株価から2倍ですが、これはどんな仮定を置くか次第で評価は変わってくると思います。
会計処理の問題をどこまで市場が織り込んでいるのか。そして企業の姿勢が試される場面ですね。
マニュアル作成分の評価に加えていかないと駄目なのは個人的に期待したいGRACE VISION 。マニュアルを読むことも覚える必要もない。AIを使ったマニュアルがメンテナンス現場で使えればコスト削減、技術継承に役立つはず。
但し、色んな企業が参戦している分野なのでどう差別化を図るかがポイントです。
ウェラブルカメラ市場は2027年には130億米ドル(日本円で単純計算1.3兆円規模)まで増加する見込み。
マニュアルを基に展開することでニッチな分野でシェアを確保出来れば面白いですね。
次回の決算報告とともに次回は GRACE VISION も含めて再度考えていきたいと思う。
最後までお付き合いいただき有難うございました。
~学び続ける人の人生は、常に前向き~