オイシックスがグリーンシフト戦略が公表したけど、内容が中々良くわからないな・・・。フードロスに興味あるけれどどんな内容なんだろう?
こんな疑問に答えます。
こんにちは、カツヤマ(@katsu8ma)です!オイシックスのバーチャル株主総会に出席してきました。グリーンシフト戦略を公表されており、フードロスについても分かりやすく解説したいと思います。
この記事を読んで分かること
・新しいグリーンシフト5施策の中身は?
・アップサイクル食品の販売推進
・株主総会で感じたこと
新しいグリーンシフト5施策の中身は?
オイシックスは脱炭素社会実現のために2020年11月に“グリーンシフト施策”を定めました。
これは環境に関する目標となっており、「これからの食卓、これからの畑」という豊かな地球の未来のために取り組まれています。オイシックスは食に関する環境課題にビジネスの手法で解決、食べる人と作る人を繋ぐ方法を進化させている。
持続可能な社会実現に向けて挙げた5つの施策はこちら。
そもそも脱炭素社会実現に向けたトリガーは2020年10月、日本政府は2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出と吸収を差し引きゼロにすること)を目指すことを表明したこと。
今日は2021年6月22日開催の第24期定時株主総会にて追加報告があった、5.アップサイクル食品の販売促進について掘り下げて話を進めて行きたい。
アップサイクル食品の販売推進
まず「アップサイクルってなんだよ」と思う方もいるかもしれないので説明します。
アップサイクルとは本来、捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせることです。
2021年7月にOisixブランドで「ここも食べられるチップス」の販売が開始されるとのことです。
添付画像を見ての通り、大根の皮やブロッコリーの茎等にひと手間を加えてチップスにしてフードロスに繋げる試み。
3年以内に売上20億円超のマーケット創出を目指す姿は素直に応援したい(実際、味はどうなのだろうか・・・)。
既に3月時点でオイシックス・ラ・大地の投資子会社のFuture Food Fundが運営するフードイノベーション領域に特化したCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ファンド「Future Food Fund 1号」が、以下のスタートアップ企業2社への投資を発表している。
農業のデジタル化に取り組むテラスマイル
2014年創業。農業分野に特化してデジタル化とデータ活⽤に取り組み、2018年に農業経営における収⽀向上(稼ぐ農業)を⽬的とした農業データ基盤『RightARM』をリリース。農業経営者と経営⽬標・KPIを共有、経営⽬線でデジタル化を推進。2020年からは主に国家政策であるsociety5.0、持続可能な未来への⼀翼を担えるよう、現場実証・実装及び改良を重ねる。
今まで農家の方が経験を生かしてきたものがデータで視える化されることで期待出来るのは
本社 :宮崎県児湯郡新富町
代表者 :生駒 祐一
設立 :2014年
会社HP :https://www.terasuma.jp/
米国のアップサイクル食品業界をリードするReGrained Inc.
2019年創業。ビールの醸造から大量の穀物廃棄物が発生することに着目し、USDA ARS(米国農務省農業研究局)との共同開発によるアップサイクリング技術および原料のプラットフォーマーとして米国のアップサイクル食品業界をリード。
地球環境に優しい食システムの構築を目指し、食品の生産・製造プロセスで発生する副産物(栄養が残っているがフードロスになり得る食品)を独自の技術で加工し、美味しくて用途の広いスーパーフードを提供。
オイシックスとしてもこの技術を活用しながら技術開発していくものと考えられる。
本社 :アメリカ デラウェア州
代表者 :Daniel Kurzrock
設立 : 2014年
会社HP: https://www.regrained.com/
Future Food Fundとは?
オイシックス・ラ・大地株式会社が運営する、日本初の“食”を専門としたファンド「Food Tech Fund」から発展。
単なる投資活動にとどまらず、
・事業会社のプラットフォームを最大限に活用し、幅広く支援を行う。
⇒スタートアップの持つ新技術や新サービスをより早く実用化・事業化していくことを目指す。
フードロスとは?
まだ食べられるのに廃棄される食品のこと。
日本では、年間2,531万トン(※)の食品廃棄物等が出されています。このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は600万トン(※)。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(2019年で年間約420万トン)の1.4倍に相当します。
また、食品ロスを国民一人当たりに換算すると”お茶腕約1杯分(約130g)の食べもの”が毎日捨てられていることになるのです。「もったいない」と思いませんか?
大切な資源の有効活用や環境負荷への配慮から、食品ロスを減らすことが必要です。
引用元:消費者庁HP
※農林水産省及び環境省「平成30年度推計」
想像よりも多いフードロス。国民1人あたり、お茶碗約1杯分が廃棄されていると思うと残念な気持ちになります。
株主総会で感じたこと
IRでも公表されていますが個人的な見解も踏まえて感じたことを述べたいと思います。
株主還元について
成長投資を続けることは理解しているが、今後の株主還元・株価対策についてどのように考えているか?
引用元:オイシックス・ラ・大地 第24期定時株主総会質疑応答集
まずは資本コストを上回る事業利益を継続的に生み出し続けることが責務と考えています。
一方で、小売りEC企業では1,000億円が壁となり、成長鈍化をするケースがみられるため、現在は今後も急成長をし続けられるかの岐路であると認識しています。追加事業説明をした設備投資など成長に向けた投資を行うことで事業利益を継続的に生み出すことで報いていきたいと考えています。
加えて、流動性も担保も重要であるため、必要に応じた株式分割の実施も検討する。また、機関投資家の皆様とも四半期で100件以上の面談を行っているため、適切な成長期待を持っていただけるようコミュニケーションをはかります。あわせて、拡大しているESG投資に対応した情報も積極的に開示することで、資本市場との適切なコミュニケーションをはかり認知の拡大につなげたいと考えています。
(ESG情報)
https://www.oisixradaichi.co.jp/sustainability/
高島社長が質問に回答されていましたが、話し方から1,000億円の壁を強く意識している様に感じられました。
今まで通りの投資をしていては壁を越えられなくなる、という考えの基で積極的に投資しているとのこと。
株価は現在で約35万円/100株のため、2分割とかの発表があると更に新規で買う方も増えるのではないか。
ESG投資に対応した情報も積極的に開示することで個人投資家を始め、真っ当な世の中のためになるサービスを展開しているオイシックスへの投資も加速することを願う。
無配当に関しては大株主であるリクルートやNTTも了承済とのこと。
実際、企業成長が進めば株主にはインカムゲイン(配当)よりキャピタルゲイン(売却益)の恩恵が大きくなると思われる。
ESGについて
決算説明資料のサステナブルリテールの考え方は、生産者・お客さま双方のニーズが高いと考えられ、
引用元:オイシックス・ラ・大地 第24期定時株主総会質疑応答集
フードロスの社会課題に適していると感じる。
Kit Oisixのような形で提供することで、他社との差別化を図っているのか?
差別化を強く意識しているわけではなく、お客さまや生産者の社会課題を解いていく事を考えています。
ミールキット「Kit Oisix」以外にも、素材のままの販売は実施しており、冷凍のお弁当や冷凍した素材の提供について検討を進めています。天候によって、豊作になりすぎるということはどうしても発生するが、現在は産地で廃棄をされてしまうことが多い状態です。
素材、ミールキット、冷凍弁当など様々なプロダクトを当社が持つことによって、産地で獲れてしまった作物を全て送って頂き、当社でそれらの作物を使い切る努力をできたら良いと考えています。
したがって、他社との差別化の意図ではなく、誰も解いていない社会課題がそこにあるため当社が解きたいという考え方です。
(2021年3月期 本決算説明資料 P56)
https://www.oisixradaichi.co.jp/wp-content/uploads/2020/08/3e0a2a43df7fbbb25b0f5d7578e0b12f.pdf
こちらも高島社長自ら回答していました。
印象的だったのは「他社との差別化」ではなく、誰も解いていない社会課題がそこにあるから解いていきたいというもの。
農業のデジタル化に取り組むテラスマイルの技術がここに生かされていくのかな、と想像しました。
自分達が家の食卓で食べる食事はスーパー等で買うのが一般的。今は生産者の視える化で写真とかが見えるけれど次の時代は
自分たちが食べる野菜が畑で収穫されるところから食卓に来るまでデータとして視える化
⇒農家の方々の想いが消費者の感情に訴えかけるサービスに人々は価値を見出すような気がする。
最後に今回バーチャルで株主総会に出席しましたが、地方に住まわれていて会場まで足を運べない人にとっては、とても良い機会になると感じました。そして株主として直接社長や取締役と会話出来る絶好の機会です。
企業の成長を願いながらお金を託して「世の中にとってより良い未来を創っていく」
これは長期投資を実践していることで生まれる感情な気がする。
投資をすることで経済への興味が湧き、長期投資を企業とともに歩むことで成長の果実を享受したい。
社会の発展には不確実な未来に向けてリスクを取る個人投資家の存在は不可欠。
預貯金も日々の生活に大事なものであるけれど、社会の役に立っているといった自己肯定感を高める意味でも長期投資をこれからも実践していきたいと思う。
~学び続ける人の人生は、常に前向き~