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6613 QDレーザ 2022年3月期3Q決算【ワラントで約5億円調達】

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こんにちは、カツヤマ(@katsu8ma)です!

6613 QDレーザが2月10日に2022年3月期の3Q決算を発表しました。決算説明資料を基に内容を確認していきたいと思います。
それでは早速見て行きましょう。

QDレーザがどんな会社なんだろう?という方向けの記事はこちら👇

目次

3Q決算の特記事項

各指標の着地状況は、下表の通り。

コロナ禍が終息しない影響により業績は下方修正発表。

レーザーアイウエア事業

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に終息の目途がつかず。
各国で移動制限が掛かり、展示会等での営業活動に支障出ている状況(上期は販売目標達成)。

当期中は影響が継続するものとして、業績予想を下方修正。
元々韓国、中国での販売を予定していたものが上手くいかなかった案件なので仕方なし。

量産が期待されていたシリコンフォトニクスは1年延期へ。

アイオーコアのチップはテスト販売済だが最終の顧客がテストしている段階。

今年終わる予定のものが遅れている(商品に問題がある訳ではない)。

2月時点で修正した通期業績予想はクリア出来る見込みとのことなので期待して待ちたい。

引用元:QDレーザー 2022年3月期第3四半期決算説明資料

売上高:8.15億円と前年同期比35%増加、営業利益(営業損失)は1.13億円の改善。

LD事業が上半期に引き続き、3Q累計でも創業来初の営業黒字を達成したのは評価出来るポイント。

四半期純損失も前年同期比で3.36億円の改善となっています。

営業利益は今だマイナスで通期会社予想に対する売上高の進捗率も64.7%と今ひとつです。
→下方修正後は進捗率74.3%となっている。

レーザーデバイス事業は以下の3つが受注増加(詳細は後述)

・精密加工用DFBレーザ
・バイオ検査装置用小型可視レーザ
・センサ用高出力レーザ及び開発受託

レーザーアイウェア事業はアクセサリーカメラ「RD2CAMを8/31よりECサイトで販売開始。

RETISSA Display Ⅱに簡単取付、拡大・縮小が出来て読書等も可能に。

更なる低コスト化(目標原価5万円以下)を目指す。

レーザーデバイス事業

レーザーデバイス事業は1Q決算説明資料同様、5つに分けて説明していきます。

その前に半導体レーザはこれからの新しい時代5Gであったり自動運転等で必要な技術となります。

これらすべてに製品開発出来るというのが強みですね。

引用元:QDレーザ 2022年3月期2Q決算説明資料

精密加工用DFBレーザ

スマートフォン等の加工に使用される精密加工用DFBレーザ。
3Q決算売上高は2.51億円で前年同期比32%増加。

北米:レーザー装置メーカーの新規加工装置量産が開始されたことが上振れ要因。

どんな構造?

レーザーのジャイアント企業4~5社は半導体レーザ技術を内製で持っており外に出さない。
QDレーザの顧客は半導体レーザ技術を持っていないため、ジャイアントと戦っていく中でQDレーザと協力している。順次顧客が保有している装置の中で置き換わりが起き市場が出来てきている。

欧州:半導体ウエハプロセス時の検査装置に使用する光源受注が好調。

半導体ウエハの表面粗さを見ていくものですね。QDレーザの技術を使って欧州で検査してまた日本で納入されるのはグローバルなバリューチェーンで面白い。

アジア:地形・気象観測用LiDAR用光源の売上に関しては顧客側がビジネスチャンスを見出している印象。今後の展開に注目したい。

引用元:QDレーザー 2022年3月期第3四半期決算説明資料

精密加工用レーザを個人的な解釈で簡単にまとめると

従来から使用されているのはガスレーザや固体レーザ
⇒素材に熱を加えてしまう

QDレーザの超短パルスDFB(※)レーザ
⇒10ピコ秒以下(1兆分の1)の短パルスレーザなので素材に熱影響を与えずに加工が可能

(※)DFB:Distributed Feedback の略で日本語でいうところの分布帰還型レーザ。

通常振幅しやすいレーザに対して波長安定性が高く、線幅が非常に狭い(真っすぐレーザを飛ばせると自分は理解しました)

バイオ検査装置用小型可視レーザ

3Q決算売上高は1.27億円で前年同期比72%増加と成長。
⇒着実に売上が伸びているのは好印象。

中国ではバイオメディカル装置メーカー向けに採用されている。
約1000台の受注を受け、80台/月ペースで納入を進めている(1.5億円相当)。

欧州向けには2014年に顕微鏡(STED)でノーベル賞を取った方が立ち上げた会社向けに新たに100台受注(約1.5億円)。2018、2019年に納入した300台も在庫が無くなり、会社も軌道に乗って再受注に繋がったとのこと。市場規模は約60億円なので拡大余地は大きい(瞬間的にレーザを出せるのは現時点でQDレーザのみ)。

引用元:QDレーザー 2022年3月期第3四半期決算説明資料

1Q、2Qに引き続き、中国のバイオメディカル装置メーカーのアプリ量産を受けての受注増加(前年同期比72%)。

センシング分野ではオレンジや黄緑といったレーザーを出せるようになりこの分野に進出出来るようになったとのこと。

フローサイトメーターは5000台の市場規模に対しQDレーザーは20%のシェアを確保しつつある状況。

フローサイトメーターというのは血液の中に血小板、赤血球や白血球があり、その中で白血球が大事になる。

白血球は5種類のリンパ球を含めた細胞を持っている。血液をそれぞれの白血球に流す際にレーザーを当てることで何が通ったかが分かり、血液の組成や悪いものが増えている等の情報が得られる。

引用:QDレーザHPより

スマホみたいにどんどん小型化、高性能化が図られていく。

5年後にバイオメディカル装置用光源の業界シェア20%が目標。

菅原社長もまだまだ序の口とおっしゃっているので期待しましょう。

引用元:QDレーザ 2022年3月期2Q決算説明資料

センサ用高出力レーザ

3Q決算売上高は2.11億円で前年同期比45%増加と好調。
⇒こちらも中国といった海外からの受注増加が1Q、2Qに引き続き継続。半導体不足による新設、増設需要を受けての上振れ。

元々の計画が1.8億円なので予想以上に伸びていることが分かります。
世界で顧客が7社ほど、センシングのTOPメーカー等に使われている。

引用元:QDレーザー 2022年3月期第3四半期決算説明資料

通信用量子ドットレーザ

3Q決算売上高は0.83億円で前年同期比14%減少。
⇒自動運転に必要なLiDAR(人間の眼の代わり)開発受注は順調。量産はまだ先なので右肩上がりのカーブが見たい所。

日米欧9社とシリコンフォトニクス用光源を共同開発(会社毎に必要とする光源は別)
→この事実がQDレーザの将来性を物語っている。

それもあって菅原社長としてはそこまで心配している様子は見られなかった。

引用元:QDレーザー 2022年3月期第3四半期決算説明資料

開発受託

3Q決算売上高は1.02億円。検眼機の開発が進み屈折力測定装置の基本仕様を定めて納品へ。
⇒検眼を低コスト、小型化、容易な操作性を実現出来る装置が試作機から本格的に世に広がるのを待ちたい。

元々、眼鏡店や大学、医療機器メーカーからの要望を受けて開発受託を開始。
いよいよ来年、簡易検眼機が商品化に繋がり、順次ハードも発売されていく。

最終的にはヘルスケアのプラットフォームが出来て健康に困らない社会を期待したい。

引用元:QDレーザー 2022年3月期第3四半期決算説明資料
引用元:QDレーザー 2022年3月期第3四半期決算説明資料

レーザアイウェア事業

3Q決算売上高は0.38億円で前年同期比15%増加と2Qに比べると物足りないが好調維持。
⇒RETISSAメディカルは参天製薬やシードと連携してデモも行い認知度upに向けて取り組み。

RETISSA DisplayⅡはコロナ禍で韓国や中国での展開が上手くいかず(動くことが出来ない)苦戦。

そのなかでアクセサリカメラ上市(2021/8/31)や日常生活用具補助金、行政予算を利用して国内での展開を発展。お求めやすいところまで来ていると菅原社長。

市場期待が高まりそうな米国での認知向上として米国ECサイトが3月初旬に開設されるのは楽しみ。

引用元:QDレーザー 2022年3月期第3四半期決算説明資料
引用元:QDレーザー 2022年3月期第3四半期決算説明資料

ワラントにより株価は低迷中【約5億円調達済】

引用元:QDレーザー 2022年3月期第3四半期決算説明資料


株価としては1Q決算後、約1000円程度まで下落して時価総額も350億円程度でした。

2Q決算前は地合いもあると思いますが800円台まで売られ決算日は914円(時価総額は約300億円)。

2月時点では地合いもありますが500円割れの水準へ。新株予約権発行も下限670円のため現在は行使できず。

菅原社長曰く、約5億円を調達したようですが合計で約50億円と考えると1/10程度ですか・・・。

まだまだ先は長そうですね。

参照:Google Finance

SBI証券のS株で手数料無料化が公表されたので株価下落時は注目していきたい。

今日はここまで。最後まで読んでいただき有難うございました。

~学び続ける人の人生は、常に前向き~

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